hump noseの改善で成功率を高めるための様々な工夫
第56回日本形成外科学会総会・学術集会 / 2013年4月 / 東京院 広比利次、飯田秀夫、田中真輔、牧野太郎
目的
一般的日本人の鼻の特徴は、欧米人と比較すると低く、小さい。Humpに関してはその大きさが著しく異なるが、mild humpまで含めるとその比率は決して少なくない。美容外科医の多くはシリコンインプラントで隆鼻することにより、humpをカモフラージュすることが多いが、本来であればhumpectomyと鼻骨骨切りを併用すべき症例も散見する。しかし実際にはこれらの手術は、盲目的に行われることが多く、勘に頼った手技では良好な結果、安定した結果を得がたい。
そこで我々の行っているhumpの改善法を紹介する。Humpectomyに関しては切除範囲、切除量などの正確な評価方法、実際の切除方法を、また続いて行われる鼻骨骨切りでは、安全、確実な骨切り法の詳細を報告する。
方法
アプローチはオープン法を選択する。Hump は3次元実体模型などより術前に切除量を決定しデザインする。Humpの骨性部位は超音波骨切り器を使用して、直視下に正確に削骨する。軟骨性部位は鼻中隔軟骨から外側鼻軟骨をはずした上で正確に鼻中隔軟骨を切除する。
一方それに続いて行われる鼻骨外側骨切りは、頭側では経皮法、尾側では梨状孔縁アプローチにより、デザインに忠実な確実な骨切りを行っている。
結果
形態的には概ね良好な結果が得られ、humpの取り残し、皮膚表面上の不整などは見られなかった。鼻幅に関しては術後スプリント固定の強さ、期間により調整可能であった。
合併症として、internal valveのcollapseによる鼻閉を1例経験した。
考察
humpの中央にある骨・軟骨移行部(keystone area)はその構造が複雑であり、直視下でないと正確なhumpectomyは行えない。そのためアプローチはオープン法を必ず選択すべきである。外側骨切りに関しては、経皮法が易しく、安定した結果を出すには有利である。