下顎V-line形成術
第35回日本美容外科学会総会 / 2012年10月 / 東京院 広比利次、田中真輔、飯田秀夫、牧野太郎
目的
顔面輪郭形成を希望する患者のなかには極端な変化を希望する患者が少なくない。特に下顎に関しては、オトガイから下顎角にかけて連続的にできるだけ細く、小さくしたい(V-line形成)という要望が多い。しかし実際には下顎骨には下歯槽神経が内在しており、その走行によって手術効果は制限されることになる。神経損傷を防止しつつ、最大限の効果が得られる手術法を検討する。
方法
一般的には下歯槽神経の走行はパノラマ、セファロで確認されることが多い。しかしそれだけでは不十分であり、神経の走行を三次元で把握していないと、Vライン形成では神経損傷の可能性が高い。当院では下顎形成手術に際しては下顎骨三次元模型をルーチンに作成し、そのデータから様々な工夫を凝らして安全かつ確実な骨切りを行なっている。
結果
三次元模型より下歯槽神経を避けて正確な骨切りラインを設定することが出来る。骨切りの際にさまざまな工夫を凝らすことにより安全にかつ安定した結果が得られた。
考察
V-line形成ではオトガイの垂直方向の短縮量と下歯槽神経の最下方点の位置関係で術後のオトガイの細さは制限される。術前に患者に下歯槽神経の走行を三次元模型で確認してもらい、骨切り限界線を提示する。その際オトガイ部の細さ優先か、長さ優先かは患者が決定することにより、術後の満足度は向上する。