「鼻形成術:openorclosed~私の考え連続した5症例~」
第30回日本美容外科学会総会 / 2007年10月 / 東京院 院長 広比利次
目的
鼻形成を希望される患者の悩みはさまざまであり、演者はアプローチ方法としてclosedとopenを症例に応じて使い分けている。初回手術で定型的な症例にはclosedを適応し、初回手術でも複雑な手技を要する症例、また修正手術においては積極的にopenを適応している。今回openによる術式を適応した連続5症例を供覧し、それぞれの術式の詳細とopenの意義を検討する。
方法
演者がopenを適応するのは、初回手術では鼻骨、外側鼻軟骨、鼻中隔軟骨に操作を加えるような症例で、代表的なものとして段鼻、斜鼻、短鼻などが挙げられる。また2回目以降の修正症例も初回手術にて正常解剖構造が破壊されているため、確実にオリエンテーションをつける意味でも好んでopenを適応している。
結果
難症例に対してopenを適応し、概ね満足すべき結果が得られた。とりわけ非対称な鼻(斜鼻を含む)に対してはcloseでは限界があり、積極的にopenで行なうべきである。鼻中隔の矯正、大鼻翼軟骨・外側鼻軟骨への正確な操作は術野の展開という意味ではclosedと格段の差があり、openは絶対的優位である。openの不利な点としては、鼻橋部の瘢痕、鼻尖部を中心とした腫脹の遷延、手術時間の延長などが考えられるが、いずれも大きな問題とはならなかった。
考察
open,closeに関わらず、鼻形成術は美容外科手術の中でも難易度の高い手術のひとつである。欧米のテキストではこのrhinoplastyに最も多くの頁をさいていることからも、奥深い分野であることがわかる。演者の行なった連続5症例においても必ずしも1回で良い結果となるわけでなく、修正を加えて満足すべき結果となった症例もあり、反省点も含めて報告する。