「輪郭形成術における単独手術・複合手術の適応」
第50回日本形成外科学会総会 / 2007年4月 / 東京院 院長 広比利次
目的
美容外科で行われる輪郭形成術のうち、骨格手術における代表的な部位としては頬骨・エラ・おとがい等が挙げられる。各部位が単独で目立って突出している場合には、その部位単独で手術を行うことにより良い結果が得られる。一方、目立った突出がなく漠然と小顔にしたいという要望も多く、この場合には単独手術だけでは目的を達成しないことも多い。さらに一部位が顕著に突出している場合に、関連他部位の突出を見落としやすい(例:おとがいが極端に長いがエラも平均以上に張っている等)ので注意が必要である。
術前診断における単独・複合手術の適応の重要性、pitfallに関して具体的症例を供覧しながら検討を加える。
対象・方法
2000年2月開院以来2006年10月までに当院で行われた1200例を超える輪郭形成術より、単独手術・複合手術の適応に関して検討を加える。同時に、当院における各部位に対する代表的術式も供覧する。
結果
頬骨・おとがいの単独手術ではエラとのバランスを十分に考慮する必要がある。代表的な例として頬骨単独で行った場合の“下ぶくれ顔”、おとがい単独で行った場合の“丸顔(太った顔)”等の術後形態が挙げられるが、そのような症例では術前のICが重要となる。
考察
美容外科は自費診療ゆえ患者サイドの予算の都合上で、本来であれば複合部位の同時手術が適応であるが、実際には単独手術となることも決して少なくない。その際には優先部位、バランスを考えた改善度合いに関して一考を要する。