「プロテーゼによる圧迫で薄くなった鼻尖への自家組織移植について」
第28回日本美容外科学会総会 / 2005年10月 / 名古屋院 院長 山岸誠治
目的
隆鼻材料として広く使用されているシリコンプロテーゼ(特にL型)は、鼻尖部に長期間入っていると、程度の差はあれ鼻尖の皮膚が非薄化していくことはよく 知られている。
軽症であれば、抜去してI型プロテーゼに入れ替えたり、鼻尖部に軟骨移植を行うなどの方法で改善できるが、皮膚がかなり薄くなっている場合にはプロテーゼ 抜去のみでは鼻尖部が陥没し、軟骨移植をしても血行不良で吸収されたり、移植軟骨の輪郭がわかりやすかったり、また筋膜移植では十分な高さが出なかったり と治療に難渋することが多い。当院ではこのような症例に軟骨と筋膜を重ねて移植し、良好な結果を得ることができたためここに報告する。
方法
プロテーゼによる圧迫で鼻尖部皮膚・軟部組織が非薄化した症例に対する、術式、及びその効果などを比較、検討した。
結果・考察
鼻尖の皮膚の薄さによっては、軟骨単独よりも筋膜と軟骨を重ねて移植する方が良好な結果を得ることができた。