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希望する乳房の大きさを”カップ・サイズ”で表現することの妥当性について

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「希望する乳房の大きさを『カップ・サイズ』で表現することの妥当性について」

第26回日本美容外科学会総会 / 2003年10月 / 高松院 梁淑姫

目的

豊胸術を受ける患者は、希望の乳房の大きさを言葉で表現する際に、ブラジャーの“カップ・サイズ”によって表現する事が多い。しかし希望の“カップ・サイズ”を聴取して豊胸術を施行しても、患者が術前にイメージしていた「希望の大きさの乳房」とは違った結果となることを、しばしば仄聞する。今回我々は、患者側と医療スタッフ側の“カップ・サイズ”イメージの差異について調査し、“カップ・サイズ”が適切な表現法であるか否かを検討したので報告する。

方法

2001年10月から2003年3月にかけて当院で豊胸手術を施行した患者のうち、3ヶ月検診を受信した42名を対象とした。術前・術後の乳房の大きさについて、(1)患者自身、(2)美容外科の経験が豊富な医師、(3)経験の浅い医師、(4)看護師、(5)一般女性、が“カップ・サイズ”を用いて判定を行なった。またトップバストとアンダーバストを実際に計測し、平均的なブラジャーの“カップ・サイズ”のいずれに相当するかを調べた。

結果と考察

5つのグループにおいて“カップ・サイズ”の判定値はばらつきが大きく、“カップ・サイズ”は豊胸術において乳房の大きさを言語で表現する際の「大まかな参考値」ではあっても、「万人に一貫した客観値」とは言い難いことがわかった。その理由として(1) “カップ・サイズ”はアンダーバスト毎に幅があり、また下着メーカー間によってもその幅に違いがある事、(2)個々人がイメージする“カップ・サイズ”はバイアスが大きく、平均的なブラジャーにおける“カップ・サイズ”からの逸脱がある事、が上げられる。豊胸術を受ける患者にとって最たる不安のひとつは「術後の乳房の大きさがイメージ通りになるか」ということであるが、希望するがどの程度の大きさかを言葉で伝達することの困難さが再認識された。

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