「当院におけるReductionforeheadplasty」
第28回日本美容外科学会総会 / 2005年10月 / 東京院 大場教弘
目的
東洋人には比較的稀であるが、前頭洞の過剰発育に起因する眉毛上部の突出は、険しい印象を人にあたえる。これに対し女性的な優しい表情にすることを目的と し前額部骨切り手術を行った。
対象と方法
対象は眉毛上部の突出を主訴に来院した2症例、21歳男性および24歳男性である。方法として、後頭隆起上方を通過する冠状切開より帽状腱膜下、骨膜下剥 離にて前頭骨を露出させる。前頭洞前壁をbarで開窓し、前壁骨片を遊離骨片として摘出したのち、barを用いて周囲および前頭洞中隔部を削り減量させた うえ、元に戻しwireで固定した。前頭洞粘膜は可能な限り温存した。
結果
Follow期間はそれぞれ1年7ヶ月、1年8ヶ月であるが、禿髪、知覚異常、鼻腔機能異常等もなく、2症例ともに顔面輪郭のなめらかさ、側貌の改善が得 られ、険しい表情も緩和された。
考察
眼窩上縁の突出は険しい印象を与え、男性的象徴であるが、フェミニゼーションの一環として、我々は冠状切開から直視下に前頭骨の骨切りをおこない、輪郭の 改善をおこなった。この方法は異物を使用することなく、過剰な部分のみを直視下に減量でき、自然な輪郭形成が可能であった。禿髪、知覚異常、鼻腔機能異常 などの合併症もなく、唯一の欠点である冠状切開瘢痕も、後頭隆起上方を通過させることにより、毛流に直交するためほとんど目立たなくすることが可能であった。